母が90歳を超し、最近だいぶ弱ってきました。葬儀のために、いざというときのために、いくら現金を用意しておいたらいいか心配です。新聞チラシには「葬儀が30万円で」とあったり、「300万円かかる」という話も聞きます。(62歳女性)
A
かつて葬儀費用は「葬儀の当日現金払い」と言われていましたが、葬儀社の支払いについては、葬儀の翌日あるいは翌々日に請求書の提出を受け、月末あるいは翌月に現金もしくは銀行振込という形式が多くなっています。 葬儀後数日以内に現金払いが必要となるのは、寺院へのお布施です。また、親族の食費、火葬料金などこれとは言えない「その他」のお金が出ていきます。 お布施については、お寺と檀家の関係ですから、一般に20万円〜80万円と幅があり、いちがいにいくらとは言えません。ご家庭の事情に合わせて精一杯のことをなさればいいでしょう。 「その他」の費用は、葬儀の仕方によっても変わりますが、意外とかかるものです。15〜20万円は用意されておくとよいでしょう。ですから当座の出費は、地味にすれば40万円程度となりますし、少し規模を大きくすれば100万円程度必要です。 しかし、弔問客からいただく香典もあります。これも考慮することができます。 葬儀費用は、葬儀社への支払い、寺院へのお布施(宗教者へのお礼、宗教者を呼ばなければかかりません)、飲食接待費用、その他の費用と分けられます。直接の葬儀費用ではありませんが、香典返しの費用もあります。 総費用は、葬儀の規模によって変わります。地味に行えば総額で100万円以内ということも可能です。平均的には250万円、比較的に大きくすれば300万円以上になります。しかし、香典収入を見込めば、ご遺族の負担の総額は、大規模に行わなければ30〜150万円の幅に収まるでしょう。 また「葬儀が30万円で」という広告も見受けられますが、あくまで葬儀社に対する費用です。しかも基本料金だけということが多いのです。そこには何の費用が含まれ、何の費用が含まれていないのかを確認する必要があります。 最近では事前に相談にのってくれる葬儀社が多いので、一度葬儀社に出向き、どういう葬儀をしたいのかを話し、見積もりをとっておくとよいでしょう。葬儀社以外の費用についても、あるいは地域の慣習についても、わからないところを率直に相談しておくのがよいと思います。
|
|