□Q5 墓守りの負担を子どもにさせたくないのだが…?


 私は次男坊なため、わが家には墓がありません。そろそろ私たち夫婦の墓を用意したいと思っています。しかし、息子は海外駐在ですし、娘は関西に嫁にいきましたので、私たちの墓を守る負担を子どもにはかけたくありません。(63歳男性)

A 
.10年ほど前からお墓の事情は大きく変わってきています。今までの「○○家の墓」の場合、お墓を守る人が必要でした。しかし、核家族となり少子化が進み、跡継ぎのいない人、跡継ぎとなる子がいても子に負担をかけたくない人が現れ、お墓のシステムも変化してきました。
 その代表的なのが「永代供養墓」と言われるものです。跡継ぎがいなくてもお寺が責任をもって守るという形態の墓です。多くは共同墓の形態になっています。(公営の場合には合葬墓と言われます。)
 しかしこれに問題がないわけではありません。管理がきちんとしている寺か、信頼できる寺であるかということです。よく事前に調査し、値段だけではなく、心から託すに足る寺か面談して選ぶ必要があります。
 またお墓というものは死者のためにあるのではなく、遺された者のためにもあるということを忘れてはいけません。
 お子様方が管理料を支払ったりの墓守りをする義務はなくても、お墓参りしたいという気持ちになったら、気持ちよくお墓参りできることも考えておきましょう。
 その意味では、お二人のお子さんともよく話し合って、家族が納得できるお墓選びをしたいものです。
 近年では跡継ぎを必要としない形態では、自然に還す樹木葬、30年・50年と使用期限を定めた有期限のお墓などいろいろあります。それぞれの死生観に合わせて選択するとよいでしょう。