「戒名」とは本来どういうものなのでしょうか。
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「戒名」は「死者につける名前」ではなく、本来仏教では仏弟子にするときに授ける名前のこと。出家したときに僧侶につけられる名前が戒名でした。
中世に、僧侶にする儀式を模して在家(一般の信者)に対する葬儀法が形作られたため、死者に対し剃髪し、戒を授け、仏弟子になった徴として戒名を授けるようになりました。
今のように院号、居士、大姉など位の高い戒名を皆がお金を競って求めるようになったのは戦後の高度経済成長以降の悪弊。昔は○○信女(信士)と4字が普通。本来の戒名は○○の2字だけ。院号、道号、位号などはいわゆる修飾語で、お寺に対する貢献度や信心の深さを僧侶が判断してつけたもの。けっして売買の対象ではありません。
したがって「戒名料」というのはなく、あるのは「戒名を授与されたことへのお礼」の気持ちを「お布施」の形で表すこと。ですから金額は任意が原則。それぞれの信仰、立場において決めるもの。わからないときは僧侶に率直にたずねてみるのも一つの方法です。
戒名はあくまで仏教に帰依し、仏教徒になる徴。なお、浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と言います。キリスト教、神道など他の宗教では戒名はありません。本名である俗名での仏式葬も可能ですが、菩提寺への納骨では戒名が必要となることもあります。
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